スタッフブログ
スタッフブログ 感覚入力が脳を変える?神経可塑性と鍼灸の関係を解説
感覚入力が脳を変える?神経可塑性と鍼灸の関係を解説
「手を動かしたときに感じる感覚」「足の裏で地面を感じる感覚」「誰かに触れられたときの感覚」。
私たちは普段、こうした身体からの情報を意識することなく生活しています。
しかし、これらの感覚は単に「感じる」ためだけのものではありません。身体から脳へ送られる情報は、姿勢や運動の調整、学習などにも利用されています。
そして神経科学では、経験や学習によって神経系の働きやつながりが変化する「神経可塑性」について研究が進められています。
では、触れる・動かす・感じるといった「感覚入力」は、脳とどのように関係しているのでしょうか。
この記事では、感覚入力の基本から神経可塑性との関係、リハビリテーションや鍼灸とのつながりまで、できるだけ分かりやすく解説します。
感覚入力とは?
身体から脳へ送られる「情報」
「感覚入力」という言葉を簡単に表現すると、身体や外界から脳へ届けられる情報のことです。
私たちの身体には、さまざまな情報を感じ取る仕組みがあります。
- ・触れられた
- ・温度が変わった
- ・痛みを感じた
- ・筋肉が伸びた
- ・関節が動いた
- ・身体が傾いた
こうした情報は神経を通って中枢神経系へ伝えられ、脳で処理されます。
つまり私たちの脳は、目や耳から入ってくる情報だけでなく、身体から届く大量の情報を利用しながら、姿勢や動き、行動を調整しているのです。
私たちは身体から絶えず情報を受け取っている
例えば歩いているとき、私たちは意識しなくても、足の裏にどのくらい体重がかかっているのか、膝や足首がどのような位置にあるのか、身体がどちらに傾いているのかなどを感じ取っています。
脳はこうした情報を利用しながら、身体の動きを調整しています。
そのため、「動くこと」と「感じること」は、完全に別々のものではありません。
感覚入力はどのように脳へ伝わる?
皮膚・筋肉・関節などにある「センサー」
身体には、さまざまな感覚を受け取る仕組みがあります。
- ・皮膚で触れられたことを感じる仕組み
- ・筋肉の伸びや状態を感じる仕組み
- ・腱にかかる力を感じる仕組み
- ・関節の位置や動きを感じる仕組み
これらが身体の状態を検出し、その情報が神経を通って中枢神経系へ伝えられます。
例えば、目を閉じていても「自分の手がどこにあるのか」がある程度分かるのは、身体から脳へ送られている感覚情報を利用しているためです。
「PIEZO2」という感覚センサー
少し専門的な話になりますが、感覚を理解するうえでPIEZO2という仕組みも重要です。
PIEZO2は、皮膚への圧力や身体の動きなど、機械的な刺激を感知する仕組みに関係することが知られています。
このような研究からも、身体に加わった刺激が単なる「刺激」で終わるのではなく、神経系に伝えられる情報になるまでには、さまざまな仕組みが関わっていることが分かります。
感覚入力と神経可塑性の関係
脳は「経験」によって変化する
前回の記事でご紹介した「神経可塑性」とは、経験や学習、環境などによって神経系の働きやつながりが変化する性質のことです。
例えば、新しいスポーツを練習したり、楽器を繰り返し練習したりすると、最初は難しかった動作が少しずつ自然にできるようになります。
これは、繰り返し経験することで、脳や神経系がその経験に適応していく一例と考えられます。
そして、こうした変化には「感じること」も関係しています。
「感じること」と「動くこと」はつながっている
新しい動きを覚えるとき、私たちは単純に身体を動かしているだけではありません。
例えば、次のような流れが繰り返されています。
見る → 感じる → 動かす → 結果を感じる → 動きを修正する → もう一度行う
このように、身体から得られる感覚情報を利用しながら動きを調整することは、運動学習において重要な役割を持っています。
研究でも、運動を学習する過程では運動に関係する領域だけでなく、感覚に関係する神経系にも変化が生じることが示されています。
なぜリハビリで「感覚」が重要なのか?
動きを覚えるには「動いた結果」を知る必要がある
例えば歩行練習をするとき、「足を動かす」ことだけが重要なのではありません。
「足がどこに着いたのか」「どのくらい体重が乗ったのか」「身体がどのように動いたのか」といった情報も、次の動きを調整するために利用されます。
脳は、動作の結果として得られた感覚情報を参考にしながら、次の動きを少しずつ調整していきます。
そのためリハビリテーションでは、運動と感覚の両方を考えることが重要になる場合があります。
感覚入力を利用したリハビリ
脳卒中後のリハビリテーションなどでは、運動だけでなく、さまざまな感覚刺激を利用したアプローチについても研究されています。
ただし、ここで注意したいのは、「感覚刺激を与えれば必ず脳が回復する」という意味ではないということです。
疾患や障害の種類、症状、刺激の方法、刺激する部位、運動との組み合わせなどによって結果は異なります。
リハビリテーションでは、一人ひとりの状態を評価したうえで、適切な方法を選択することが大切です。
リセプター療法との関係
当院で行っているリセプター療法についても、身体から入ってくる感覚情報を意識することが一つのポイントになります。
イメージとしては、
感覚 → 脳での情報処理 → 運動 → 再び感覚
という循環です。
身体を動かした結果を感じ、その情報をもとに次の動きを調整する。このような「感覚と運動のやり取り」は、運動学習を考えるうえでも重要な視点です。
もちろん、リセプター療法によって神経可塑性が必ず起こる、あるいは特定の疾患が改善するという意味ではありません。当院では、こうした神経科学の考え方を施術を考える際の一つの視点として取り入れています。
感覚入力は「脳の地図」にも関係する?
脳には身体の情報を扱う領域がある
脳には、身体から送られてくる感覚情報を処理する領域があります。
例えば大脳皮質には、身体のさまざまな部位から送られてくる感覚情報を扱う領域があります。
そのため脳の中には、ある意味で「身体の状態を表す地図」のようなものが存在すると考えることができます。
もちろん、実際の地図のように身体がそのまま並んでいるわけではありません。脳の中で身体のさまざまな部位に関する情報が整理され、処理されています。
この「地図」は固定されたものではない
重要なのは、この神経系の働きが完全に固定されたものではないということです。
経験や学習、身体の使い方などによって、感覚や運動に関係する神経回路の働きが変化することがあります。
これも神経可塑性を理解するうえで大切なポイントです。
鍼灸は脳への「感覚入力」になる?
鍼刺激も神経系への感覚刺激の一つ
鍼灸では、皮膚やその下にある組織へ刺激を加えます。
その刺激は末梢の感覚神経系によって受け取られ、脊髄などを介して中枢神経(脳や脊髄)へ伝わります。
この意味では、神経科学の視点から見ると、鍼による刺激も身体から神経系へ入る感覚情報の一つと考えることができます。
近年は、鍼刺激の部位や深さ、強さなどと、感覚神経系や脳の反応との関係について研究が進められています。
鍼刺激によって脳活動が変化することも報告されている
脳の活動を画像で調べる研究では、鍼刺激によって、身体の感覚に関係する領域だけでなく、感情や運動などに関係する複数の脳領域の活動に変化がみられることが報告されています。
ただし、研究によって結果にはばらつきがあり、「鍼をすると特定の脳領域が必ずこのように変化する」と単純に説明することはできません。
また、脳活動の変化が確認されたことと、特定の症状が改善することは同じ意味ではありません。ここは科学的に分けて考える必要があります。
東京銀座鍼灸院が大切にしている「感覚入力」という考え方
身体から脳へ情報を届けるという視点
東京銀座鍼灸院では、身体を単に「痛みや不調がある場所」として見るだけではなく、「脳とつながる情報入力の場所」として捉えることも大切にしています。
例えば「身体を動かしにくい」という症状に対しても、単純に筋肉だけを見るのではなく、さまざまな角度から状態を考えます。
- ・筋肉の状態
- ・関節の状態
- ・神経の状態
- ・感覚入力
- ・運動パターン
- ・脳と身体の情報交換
身体と脳は一方通行ではなく、互いに情報を送り合っています。
新脳針と「感覚入力」
微弱な刺激をどのように捉えるか
当院の「新脳針」についても、「脳を直接変える」と単純に説明するのではなく、身体や頭部への刺激によって生じる感覚情報が、神経系にどのように伝わるのかという視点から考えることが重要です。
鍼刺激や電気刺激によって身体に加えられた刺激は、感覚神経系を介して脊髄、脳といった中枢神経系へ伝わります。
そのため当院では、刺激そのものだけを見るのではなく、「どのような刺激を、どこへ、どの程度加えるのか」「その方の身体がどのように反応するのか」といった点も大切にしています。
確率共鳴(Stochastic Resonance)とのつながり
神経系では、必ずしも「刺激は強ければ強いほど良い」とは限りません。
ある条件では、微弱なノイズが弱い信号の検出を助けることがあります。このような現象の一つが、Stochastic Resonance(確率共鳴)です。
これは、感覚入力と神経系の情報処理を考えるうえで興味深い考え方です。
当院の新脳針は、この確率共鳴という現象に着目し、鍼刺激と微弱電流によって確立共鳴を促す治療を行っています。
感覚入力を活用するために日常生活でできること
身体を意識して動かしてみる
普段の運動でも、ただ身体を動かすだけでなく、身体から得られる感覚に少し意識を向けてみる方法があります。
例えば、歩くときに「足裏が床に触れている」「体重がどちらに移動している」と感じてみることです。
腕を動かすときにも、「腕がどの方向へ動いているのか」を意識してみることができます。
無理に特別なトレーニングをする必要はありません。日常の動作の中で、自分の身体を感じてみることから始められます。
無理のない範囲で繰り返す
神経可塑性を考えるうえでは、経験や反復が重要です。
ただし、「やればやるほど良い」という単純なものではありません。
疲労や痛みを考慮しながら、その人に合った量と方法で繰り返すことが大切です。
鍼やお灸をすると、筋肉の緊張が緩んだり、痛みが緩和されることによって関節の可動域が広がり、普段よりできる動きが増えることがあります。
その状態で脳に正しい動きを学習させることで、より感覚入力の効果を引き出せます。
当院で行っている新脳針治療→リセプター療法という流れは、そういった点においても非常に理にかなった治療と言えるでしょう。
睡眠や休息も大切
神経系の変化を考えるとき、刺激や練習だけに目を向けるのではなく、休息や睡眠についても考える必要があります。
「脳に刺激を与え続ければよい」というわけではありません。
十分な休息を取りながら、無理なく継続できる方法を選ぶことが大切です。
感覚入力についてよくある質問
Q.感覚刺激を与えるだけで脳は変わりますか?
いいえ。感覚刺激だけで必ず神経可塑性が起こったり、症状が改善したりするわけではありません。
刺激の種類や強さ、頻度、その方の状態、運動や学習との組み合わせなど、さまざまな要因が関係すると考えられています。
Q.鍼灸で脳を直接刺激するのですか?
鍼灸では、脳そのものに鍼を刺すわけではありません。
身体への刺激によって生じた神経信号が中枢神経系へ伝わり、その結果として脳活動に変化がみられる可能性について研究されています。
ただし、脳活動の変化が確認されたからといって、それだけで特定の症状への治療効果が証明されたことにはなりません。
Q.神経疾患のリハビリにも感覚入力は重要ですか?
感覚入力は運動制御や運動学習と密接に関係しており、脳卒中などのリハビリテーションでも研究されています。
ただし、疾患や障害の種類によって適切な方法は異なります。必要に応じて医師や理学療法士などの専門家と連携しながら、個別に方法を検討することが重要です。
「感じること」も脳の学習につながっている
私たちは普段、触れる、動く、立つ、歩くといった行動を当たり前のように行っています。
しかし、その裏では、
身体 → 感覚を受け取る仕組み → 神経 → 脳 → 運動・行動 → 再び感覚
という情報の循環が続いています。
そして、経験や学習によって神経系が変化する「神経可塑性」という仕組みを考えると、「感じること」と「動くこと」は、脳の学習において切り離せない関係にあることが見えてきます。
鍼灸についても、身体への刺激が神経系へどのような情報を届け、脳や身体の働きにどのような影響を与えるのか、現在も研究が進められています。
ただし、研究で脳活動や感覚反応の変化が確認されたことと、治療効果が証明されたことは同じではありません。科学的に分かっていることと、これから検証されることを分けて考えることが大切です。
東京銀座鍼灸院では、東洋医学だけでなく、こうした神経科学の視点も取り入れながら、一人ひとりの身体の状態を丁寧に確認して施術を行っています。
このようなお悩みがある方はご相談ください
- ・身体を思うように動かしにくい
- ・感覚が以前と変わったように感じる
- ・運動するときに身体の使い方が分かりにくい
- ・神経疾患のリハビリについて相談したい
- ・脳と身体のつながりに着目した施術に興味がある
「身体を動かしにくい」「感覚が変わった」「思うように身体を動かせない」といったお悩みがある場合、その症状だけを見るのではなく、身体と脳の情報のやり取りという視点から状態を考えてみることも大切です。
東京銀座鍼灸院では、お一人おひとりの症状や身体の状態を確認したうえで、東洋医学と神経科学の両面から施術方針をご提案しています。
気になる症状がある方は、まず現在の状態についてご相談ください。
鍼灸師 人見
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
📞お問い合わせは【コチラから】
LINEは【コチラから】※ご予約の際にも是非!
📜患者様の声は【コチラから】
👄Googleの口コミは【コチラから】
東京 銀座鍼灸院
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
[ ]


















