スタッフブログ
スタッフブログ チック症に対する、新脳針アプローチについて
チック症(トゥレット症候群を含む)は、突発的で急速かつ不随意に出現する運動や発声(運動チック・音声チック)を特徴とする神経発達症のひとつです。
学童期を中心に好発し、成長とともに軽快するケースがある一方、
思春期以降も症状が持続したり、成人期にかけて難治化・慢性化したりする例も少なくありません。
近年では薬物療法(ドパミン受容体遮断薬など)やCBIT(チックのための包括的行動介入)といった行動療法が進歩していますが、「薬物療法の副作用への懸念」、「前駆衝動による強い精神的・肉体的消耗」、「ストレスや緊張による症状増悪の抑制」など、臨床現場ではより根本的かつ多角的なアプローチが求められています。
今回のブログでは、チック症・トゥレット症候群における神経学的メカニズムを整理した上で、当院独自の「新脳針療法」がどのように皮質-線条体回路の抑制不全や過敏化した神経ネットワークへ働きかけるのか、専門的な視点から解説いたします。
1. チック症・トゥレット症候群における神経回路の破綻(病態の整理)
チック症の本質は、大脳皮質—大脳基底核—視床—皮質を結ぶ「皮質-線条体-視床-皮質(CSTC)ループ」における脱抑制(抑制機能の破綻)とドパミン神経系の過活動にあります。
-
CSTC回路の脱抑制とドパミン系の機能亢進:
大脳基底核は、本来「意図しない不要な運動プログラムにブレーキをかけ、必要な運動のみを選択的に実行する」フィルタリング機能を担っています。
チック症では、線条体内のドパミン神経伝達の亢進や受容体の感受性亢進、および局所のGABA作動性介在ニューロン(抑制性介在細胞)の減少などが関与し、このブレーキ機能(間接路やGABA作動性抑制)が脆弱化しています。
その結果、本来抑制されるべき不必要な運動・発声の情報が視床を経て大脳皮質運動野・補足運動野へ漏れ出し、突発的なチック症状として出現します。
-
前駆衝動(Premonitory Urges)と感覚過敏:
チックが出現する直前には、喉の詰まり感、首や肩の違和感、皮膚の内側から突き上げるような衝動など、「前駆衝動」と呼ばれる特有の体性感覚異常を自覚することが多く見られます。
これは体性感覚野や島皮質(内受容感覚の統合中枢)と基底核ループ間の情報処理エラーに起因しており、衝動を解放するためにチック動作を行ってしまう悪循環が形成されます。また、不安障害、強迫症状(OCD)、ADHDなどの併発症も重層的に現れやすいのが特徴です。
2. 「新脳針療法」によるアプローチ機序
当院では、頭皮の特定ゾーンへの刺鍼と微弱電流通電を組み合わせた「新脳針療法」を主軸としています。チック症・トゥレット症候群に対する作用機序は、主に以下の3点に着目しています。
-
① 補足運動野・前頭葉ネットワークの賦活と抑制機能の再構築
頭皮部(大脳皮質運動野・補足運動野・前頭前野の投影領域に分布する経穴)への通電刺激は、三叉神経や後頭神経を介した求心性シグナルとして中枢に伝達されます。
これにより、意図しない運動の抑制や衝動制御を司る補足運動野(SMA)や前頭葉皮質の局所脳血流(rCBF)を改善し、神経可塑性を引き出すことで、脆弱化している「中枢性のブレーキ機構(抑制制御回路)」の再構築を促します。
-
② 大脳基底核ループの過剰興奮抑制と神経伝達の適正化
新脳針による生体適合性の高い微弱電流刺激は、大脳皮質と基底核間の異常な興奮リズムを適正化し、過活動に傾いたドパミン系シグナルと抑制性伝達のアンバランスを整えるサポートを行います。
感覚野・島皮質領域への求心性アプローチを介して、前駆衝動として現れる過剰な感覚入力の閾値を正常化させ、チックに至る衝動シグナルの低減を目指します。
-
③ 局所筋緊張(反復チックによる筋疲労)の緩和と自律神経調整(体性-自律神経反射)
頭部へのアプローチに加え、チックが頻発する頸部・肩背部・顔面部、および四肢の経穴を併用します。
-
-
局所筋緊張の緩和:
-
反復する運動チック(首振・肩すくめ・顔面痙攣など)によって過緊張状態・筋疲労を起こしている筋群の過敏性を和らげ、身体的なこわばりや痛みを緩和します。
-
-
自律神経系の安定(交感神経過緊張の鎮静):
-
チックは緊張・不安・精神的ストレスによって悪化しやすい傾向があります。体性-自律神経反射を介して過緊張状態の交感神経を鎮め、副交感神経を優位に導くことで、心身の過度な興奮状態を沈静化させます。
3. 当院の臨床における統合的プロトコル
当院では、単に鍼を刺すだけでなく、鍼刺激によって「脳神経ネットワークの興奮が鎮静化し、心身の筋緊張が緩んだ直後のゴールデンタイム」を最大限に活用します。
(1)新脳針(頭部通電刺激)+ 体幹・四肢の配穴:
大脳皮質の運動抑制・実行機能に関わる領域(前頭前野・補足運動野)や感覚野の投影部位に対応する頭皮ポイントへ刺鍼し、生体に適した微弱電流を通電します。中枢神経系への求心性刺激を通じて脳内の微小循環を促し、CSTCループの抑制機構の適正化を図ります。
さらに、チック動作によって常に強い負荷がかかっている頚項部・肩甲帯・脊柱起立筋群、自律神経を整える四肢の経穴を症状に合わせて組み合わせます。
過剰な筋トーヌスを緩和するとともに、全身の自律神経バランスを整えることで、心身の過緊張スパイラルを断ち切ります

(2)併用療法(温熱療法・指頭感覚法[マッサージ]):
新脳針の施術後は、全身の血管拡張や筋弛緩が得られやすい状態にあります。このタイミングで心地よい温熱刺激を与える「温熱療法」を行い、深部血流の促進と副交感神経の優位化をさらに後押しします。
あわせて、熟練の手技による「指頭感覚法(独自のマッサージ手技)」を用いることで、頻回なチック動作によって強張った頸肩部・背部の筋筋膜の緊張を丁寧に解きほぐし、心地よい触圧覚刺激を通じて過敏化した心身を深いリラックス状態へと導きます。
4. 最後に
チック症・トゥレット症候群の治療において、症状の理解や心理社会的支援、必要に応じた薬物療法は重要な選択肢です。
しかし、「薬の副作用が心配で減薬・休薬を目指したい」「成長に伴う改善を待ちつつも、いま本人が抱えている強い前駆衝動や身体の痛みを和らげたい」という切実な想いに対し、脳神経の可塑性を引き出し、中枢神経系と筋緊張のバランスを整える鍼灸治療は大きな可能性を持っています。
当院では、100年の歴史を持つ前田東洋医学研究院グループの臨床知見をもとに、チック症・トゥレット症候群と向き合うお子様から成人の患者様まで、お一人おひとりの症状や体質に合わせた専門的な施術を行っております。
長引くチック症状や、首・肩の痛み、強い衝動でお悩みの方は、ぜひ一度下記のリンクよりご相談ください。
日々の集中しづらさ、感覚過敏、慢性の疲労感や生きづらさでお悩みの方は、ぜひ一度下記のリンクよりご相談ください。
>>>【東京 銀座鍼灸院_相談フォーム】
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
📞お問い合わせは【コチラから】
LINEは【コチラから】※ご予約の際にも是非!
📜患者様の声は【コチラから】
👄Googleの口コミは【コチラから】
当院のInstagramは【コチラから】
東京 銀座鍼灸院
鍼灸師 川本
[ ]


















