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スタッフブログ ASD(自閉スペクトラム症)とは?特徴・原因・支援・脳の働きをわかりやすく解説
ASD(自閉スペクトラム症)とは?特徴・原因・支援・脳の働きをわかりやすく解説
「人とのコミュニケーションが少し苦手」「予定が変わると強い不安を感じる」「音や光に敏感に反応する」
このような特徴について調べていると、ASD(自閉スペクトラム症)という言葉を目にすることがあるかもしれません。
ASDは、生まれつきの脳の発達に関係する神経発達症の一つです。
特徴の現れ方は一人ひとり異なり、得意なことや苦手なこと、必要な支援もさまざまです。
この記事では、ASDの特徴や原因、診断、支援方法を解説するとともに、感覚入力や脳の働き、新脳針との関係についても紹介します。
ASD(自閉スペクトラム症)とは?
ASDは「自閉スペクトラム症」の略称で、一般的には「自閉症」と呼ばれることもあります。
主に、次の2つの領域に特徴が見られる神経発達症です。
- ・人とのコミュニケーションや対人関係に関する特徴
- ・特定の興味や行動、習慣を繰り返す傾向
また、音や光、触れた感覚などに対する反応にも特徴が見られることがあります。
「スペクトラム」とは?
スペクトラムとは、特性の現れ方が一人ひとり異なり、幅広い状態を含んでいることを表す言葉です。
例えば、言葉でのコミュニケーションが得意な人もいれば、気持ちを言葉で伝えることに難しさを感じる人もいます。
知的発達に遅れがない人もいれば、知的障害を伴う人もいます。
大切なのは、診断名だけでその人の能力や性格を決めつけず、本人の得意なことや困っていることを理解することです。
ASDに見られる3つの主な特徴
1.コミュニケーションや対人関係の特徴
相手の気持ちやその場の状況を読み取ること、会話のやり取りなどに難しさを感じる場合があります。
例えば、次のような特徴です。
- ・曖昧な表現や遠回しな説明が理解しにくい
- ・会話の順番や話題の切り替えが難しい
- ・表情や声の調子から相手の意図を読み取りにくい
- ・自分の興味がある話題について詳しく話し続ける
これは、決して人の気持ちを理解する意思がないという意味ではありませんが、情報の受け取り方やコミュニケーションの方法が周囲と異なることで、意思疎通に難しさが生じることがあります。
2.興味や行動のパターンに関する特徴
特定の物事に強い関心を持ったり、決まった手順や行動を好んだりすることがあります。
- ・特定の分野について深く調べる
- ・毎日の予定や手順が変わると不安になる
- ・同じ動作を繰り返す
- ・決まった順番や習慣を好む
こうした特徴は、本人にとって安心感につながっていることもあります。
また、特定の分野への深い関心が、学習や仕事で強みになる場合もあります。
そのため、すべてのこだわりをなくそうとするのではなく、生活への影響や本人の気持ちを考えることが大切です。
3.感覚の受け取り方に関する特徴
ASDでは、音や光、触覚、においなどへの反応に特徴が見られることがあります。
例えば、次のような状態です。
- ・大きな音や突然の音がとても苦手
- ・明るい照明や日光をまぶしく感じる
- ・衣服のタグや特定の素材が肌に触れると不快に感じる
- ・特定のにおいや味が苦手
- ・反対に、痛みや温度などの刺激に気づきにくい
このような感覚の特徴は、本人のわがままや気分の問題ではありません。
本人にとって実際に負担となる刺激があることを理解し、環境を調整することが大切です。
ASDの原因は?脳の発達との関係
ASDの原因は一つではなく、遺伝的要因を中心に、さまざまな要因が複雑に関係していると考えられています。
脳の発達や神経系の働き方にも個人差があり、そうした違いがコミュニケーションや行動、感覚刺激への反応などに関係していると考えられています。
ただし、ASDのある人すべてに共通する一つの脳の異常が見つかっているわけではなく、原因や脳内の仕組みにはまだ解明されていない部分があります。
また、ASDは親の育て方や愛情不足によって起こるものではありません。
本人や家族が自分たちを責める必要はなく、特性を理解して適切な支援につなげることが何より大切です。
ASDはどのように診断する?
ASDの診断は、医師が幼少期からの発達の経過や、現在の行動・コミュニケーションの特徴などを総合的に確認して行います。
必要に応じて、発達検査や知能検査、心理検査なども実施されます。
血液検査やMRIだけでASDを診断することはできません。
子どもの頃には困りごとが目立たず、進学や就職など環境の変化をきっかけに、成人後に診断される場合もあります。
ASDの支援にはどのような方法がある?
ASDの支援では、特性を無理になくそうとするのではなく、本人の得意なことや困りごとを理解し、生活しやすい環境やコミュニケーションの方法を整えることが大切です。
療育・発達支援
子どもの場合は、発達段階や特性に合わせた支援が行われます。
- ・予定を絵や写真で伝える
- ・活動の切り替えを事前に知らせる
- ・短く具体的な言葉で説明する
- ・本人の興味や得意なことを生かす
- ・安心して過ごせる環境を整える
言語療法・作業療法など
本人の困りごとや発達段階に応じて、言語聴覚士や作業療法士などの専門職による支援が検討されます。
言語聴覚療法では、言葉やコミュニケーションを支援し、作業療法では日常生活の動作や活動、感覚面の困りごとなどに対する支援を行う場合があります。
薬による治療
ASDの中核的な特性そのものをなくす薬は、現在確立されていません。
一方で、睡眠障害、不安、注意の問題、てんかんなどの併存症状や疾患に対して、必要に応じて薬物療法が検討される場合があります。
薬の必要性や種類は、本人の状態を確認したうえで医師が判断します。
ASDと感覚入力・脳の情報処理
ASDのある人の中には、音や光、触覚などの感覚刺激に対して、周囲の人とは異なる反応を示す人がいます。
こうした特徴を理解するうえでは、身体から入ってくる感覚情報が、神経系でどのように処理されるのかという「感覚入力」の視点も参考になります。
感覚入力とは、目や耳、皮膚、筋肉、関節などから得られる情報が、神経系に伝わることです。
私たちは、こうした情報を受け取りながら周囲の状況を理解し、行動を調整しています。
例えば、次のような情報です。
- ・人の声や周囲の音
- ・相手の表情や動き
- ・物に触れたときの感触
- ・身体の位置や動き
- ・においや味
ASDでは、こうした感覚刺激への反応に特徴が見られることがあります。
感覚特性に合わせた環境づくり
感覚刺激が負担になっている場合は、本人に我慢を求めるのではなく、環境を調整することが大切です。
- ・音が苦手な場合は、静かな場所を確保する
- ・光がまぶしい場合は、照明を調整する
- ・予定の変更が苦手な場合は、事前に伝える
- ・触れられることが苦手な場合は、本人の意思を確認する
本人が安心して過ごせる環境を整えることは、日常生活の負担を軽減するうえで重要です。
ASDと鍼灸の研究|新脳針の位置づけ
東京 銀座鍼灸院で行っている「新脳針療法」は、鍼刺激などによって生じる感覚情報と、神経系の働きとの関係に着目した施術です。
鍼刺激によって皮膚や筋などに刺激が加わると、その情報は末梢の求心性神経線維を介して中枢神経系へ伝えられます。鍼刺激と神経活動の関係については、基礎研究を中心に検討されています。
ただし、鍼刺激による神経生理学的な反応が研究されていることと、ASDの中核的な特性や脳の発達に対する治療効果が確認されていることは別です。
ASDに対する鍼灸の研究はいくつか報告されています。
しかし研究方法や対象者、施術内容にばらつきがあり、現時点で鍼灸がASDの中核的な特性を改善する治療として確立しているとはいえません。
また、これらの研究結果を、当院で行っている新脳針療法の効果としてそのまま当てはめることはできません。
当院では、必要な医療や療育・発達支援を継続することを大切にしながら、補完的な選択肢の一つとして、本人の状態や意思を踏まえて検討しています
下記は、当院に通われている患者様の経過の一例です。
※掲載している内容は、個別の患者様の経過の一例です。施術による一定の変化を示すものではなく、同様の経過や結果を保証するものではありません。ASDに限らず、患者様の特性や発達の経過には個人差があります。
当院の患者様も、療育や発達支援・必要な医療を継続したうえで、補完的な選択肢として検討される方が多いです。
よくある質問
Q.ASDと自閉症は違う病気ですか?
現在は、自閉症やアスペルガー症候群など、以前は別々に扱われていた診断名が、自閉スペクトラム症(ASD)という枠組みで整理されています。
Q.ASDは大人になってから発症しますか?
ASDは発達の早い時期から特性が見られる神経発達症ですが、成人後に初めて診断される場合もあります。
q.ASDは親の育て方が原因ですか?
いいえ。ASDは親の育て方や愛情不足によって起こるものではありません。
q.ASDには知的障害も伴いますか?
必ず伴うわけではありません。知的発達に遅れがない人もいれば、知的障害を伴う人もいます。
q.ASDの感覚過敏は改善しますか?
感覚特性の現れ方は、成長や経験、環境によって変化することがありますが、必ず改善するとは限りません。
本人の感じ方を理解し、刺激による負担を減らす環境を整えることが大切です。
一人ひとりの特性を理解した支援が大切
ASD(自閉スペクトラム症)は、コミュニケーションや対人関係、興味や行動のパターン、感覚の受け取り方などに特徴が見られる神経発達症です。
その現れ方や必要な支援は一人ひとり異なります。
大切なのは、診断名だけで本人を判断せず、得意なことや困っていることを理解し、その人に合った環境や支援を整えることです。
感覚入力や脳の情報処理について知ることも、本人の感じ方を理解する手がかりになります。
当院では、現在の症状やこれまでの経過などを伺いながら、鍼灸によってどのようなサポートが考えられるのかを一緒に整理していきます。
必要な医療や発達支援を大切にしながら、本人の意思と身体の状態に合った方法を検討していきましょう。
鍼灸師 人見
参考情報
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。
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