ジストニア
■ジストニアの概要
ジストニアとは、不随意運動の一つの症状の呼称であるのですが、最近では不随意運動の事をジストニアと総称して呼ばれることが増えてきました。
筋肉の緊張の異常によって様々な不随意(自分で制御できない)運動や肢位、姿勢の異常が生じる状態をいいます。
不随意運動が出ている場合、本人にとっては「動かしたいのに思うように動かせない」あるいは「動かしたくないのに、動く」といった葛藤で、精神的に大きな苦痛を伴うこともあります。
周囲で支える人が、温かくサポートし、本人のストレスを少しでも軽減させてあげる工夫をすることも大切です。
■ジストニアの原因
根本的な原因は明らかではありませんが、何だかのストレスなどから脳の異常に興奮、緊張し、脳内の神経ネットワークが異常信号を発生し、その結果、脳内の大脳基底核、視床、小脳、大脳皮質など、脳のいくつかの領域の活動が過剰になるために起こると考えられています。
■不随意運動のメカニズム
段私たちが自然に動作として動く場合の随意運動は自分の意図に基づき、
随意運動は脳の大脳皮質から基底核→脊髄(錐体外路) / 基底核から脳幹系→脊髄(錐体外路)
などの運動伝達パターンがあります。
これは脳が正常に、信号を送ってくれている証なのですが、ジストニアなどの不随意運動が発症する場合は神経伝達回路に何らかの障害が生じることが起因していると考えられています。
不随意運動の中には以下のような症状があります。
筋繊維束性収縮、ミオキミア、振戦、ミオクローヌス、バリスムス、舞台運動、アテトーゼ、ジストニア、ジスキネジア、書痙、フォーカルジストニア、発声障がい、傾性斜頸、本態性振戦、眼瞼下垂、メージュ症候群など
症状は筋肉の異常収縮によるものですが、筋緊張を調節している大脳基底核という部分の働きの異常や上部脳幹、小脳など中枢神経が集まる部位において何らかの障害が起こるためと考えられています。
普段、私たちが自分の身体を自在に動かすことができているのは、なぜでしょうか。自分の意図したように、歩きたいときには足を動かし、誰かと話したいときには、口や顔の筋肉を自然に動かすことができています。しかし不随意運動の症状が生じている場合はいくつかの起因となる要素と種類があり、脳および神経に異常をきたす疾患が上記の様に起因することが多いと言われています。
■ジストニアの種類と症状
ジストニアは、全身の筋肉が異常に動いてしまう全身性ジストニアと、局所のみの筋緊張の異常による局所性ジストニアに分けられます。
原因が特定できないものを「本態性ジストニア」、脳卒中や脳炎などの後遺症として起こるものを「二次性ジストニア」と呼びます。
また、本態性ジストニアの中には遺伝子の異常による「遺伝性ジストニア」があります。
安静時にも出現するジストニア運動は通常徐々に症状が治まり、眠っているときには症状が軽くなります。
歩行、書字、会話、楽器演奏といった日常活動などにより症状が強くなることもあります。一方、ジストニア姿勢異常は睡眠時にも持続します。
■ジストニアの診断
本態性ジストニアではCTやMRIでは脳の形に異常は見られません。
筋電図で関節を曲げる筋肉と伸ばす筋肉が同時に動いてしまう所見(共収縮、相反性抑制の障害)が診断の助けになります。
実際の筋緊張の評価(筋電図検査、超音波検査等)を補助的に行い、症状と合わせて診断します。遺伝性ジストニアが疑われる場合には遺伝子検査をする場合もあります。
精神疾患に用いる向精神薬の影響で出現するジストニア症状を遅発性ジストニアと呼びます。
症状が一定で動作特異的であること、発症の初期には朝は調子がよく、午後から夜にかけて悪化すること、ストレスや疲労により症状が悪化する場合があること、体のある特定の部位を触れるなど刺激を与えることで症状が軽快したりすることなどが特徴です。
日本では瀬川病と呼ばれるDYT5ジストニアと捻転ジストニアと呼ばれるDYT1ジストニアが主で、これらは主として小児期に症状が出現します。
局所性ジストニアでは、目のまわりの筋肉が異常収縮により目が開けられなくなる「眼瞼けいれん」や、首の筋肉の異常によって首が曲がってしまう「頚部ジストニア(痙性斜頸)」などがあります。
書字や楽器演奏などきまった動作時だけに症状が出るものを、動作特異性ジストニアと呼び、「書痙(しょけい)」の多くがこれに相当します。
これらはピアニストなど特定の職種に生じる傾向があり「職業性ジストニア」とも言われています。
原因が特定できない場合(本態性ジストニア)、遺伝子の突然変異によって起こる場合(遺伝性ジストニア)と、病気や薬剤によって起こる場合(二次性ジストニア)があります。
■ジストニアに対する西洋医学の主な治療内容
本薬物療法(アーテン・ランドセン等)・ボツリヌス毒素注射
不随意運動外来
実際の筋緊張の評価(筋電図検査、超音波検査等)を補助的に行い、症状と合わせて診断します。遺伝性ジストニアが疑われる場合には遺伝子検査をする場合もあります。
DBS治療(脳深部刺激療法)
DBSはジストニアの筋緊張を和らげる効果があり、日常生活動作(ADL)が改善します。
DBSによるジストニアの改善率は、ジストニアの病態によって違いがあります。
一般に全身性ジストニア(遺伝性、非遺伝性)、遅発性ジストニアの有効性は高く、局所性ジストニアでは痙性斜頸や動作特異性ジストニア(書痙など)も効果は高いとされますが個人差が大きい傾向があります。一方、別の病気が引き金となって生じるジストニア「二次性ジストニア(遅発性ジストニアを除く)」に対するDBSの有効性は低いと言われています。
熱凝固療法(定位的脳手術)
ジストニアの外科的治療には、熱凝固療法もあります。
■ジストニア・不随運動:症状に対して当院の施術内容
①当院独自開発した【新脳針】施術法:頭部にある運動区・感覚区(四神総という奇穴エリア)を中心に身体の感覚器や緊張している箇所や緊張反射に伴うエリアに刺鍼します。
②刺鍼した鍼に0.7mmアンペアの超微弱電流を頭皮から頭蓋骨上へ通電します(外科手術で行われる脳深部刺激療法:DBSの原理を脳の外部、頭皮から脳内に電極を通している事と同じ)
③大脳に流れる血流を促進し脳全体への血流が増え弱っている脳のエリアへ栄養を送ります。
④微弱電流の刺激は脳波が大脳皮質ニューロンの活動電位として『確率共振反応』という現象が起き、脳全体への神経ネットワークとして神経ループが広がります。
※確率共振反応とは=(振動、ふるえ、ノイズ、響き、波長、音波、リズムなどから発生する刺激反応)
⑤大脳の運動区、感覚区、平衡区、などから身体、手足から内臓までメッセンジャー物質が飛び交い恒常性を維持するための情報が伝わります。
実際の施術としては不随意運動に関して身体情報から次の点に注目します。
◎どこに出るのか・・・全身か下肢のみ、上肢のみ、方側か、など
◎いつ出るのか・・・動き出す前か、安静時か、姿勢保持を保とうとする時か、人前など緊張している時か
◎いつ出ないか・・・気楽に寛いでる時か、寝ている時か、自ら意識的に止めてる時、面接している時
◎どのように出るのか・・・リズミカルか、振り返り、回旋してるか、大きな運動か規則的か、不規則的か、単純か、複雑か など
また、医師の治療と併用される患者様も多いためボトックス(ボツリヌス毒素注入)が効いている期間になるべく正常な動きを学習させるため、適切な頻度で新脳針を受けていただければその正しい動きを呼び戻し、発症前の正しい動きを再度思い出す状況へと導かせる事へと期待が持たれます。
新脳針は副作用なく、ご本人の自然治癒力を高める為のやさしい東洋医学です。
■ジストニア・不随運動:見込める効果・期待できる効果や変化
当院でのジストニアの施術
新脳針は興奮している神経を和らげ、逆にリラックスさせる神経を活発に
させて、神経バランスを平常化させます。
ジストニアの原因となる不随意運動の電位を安定させます。
ジストニアによる不随意運動を静止させます。
【改善例】
・異常な動きや運動(不随運動)が減った
・足が出やすくなった
・立ち上がりやすくなった
・正面を向きやすくなった
・顔を支えなくてよくなった
・字が書きやすくなった
・楽器が演奏しやすくなった
・背筋が伸びやすくなった
・バランスがとりやすくなった
・体が動かしやすくなった
・家での対処法を教えてもらえて不安が減った
・精神的にゆとりが出てきた
・指を動かす時に緊張が入らなくなった
・筋肉の緊張が緩み、向きづらい方向への力感覚がついてきた
・薬を減らすことができた
・ピアノやギターの演奏が気持ちよくできるようになってきた
・家での対処法を教えてもらえて不安が減った
など。
- 首が勝手に動いてしまう。
- まっすぐ前を向けない
- 字を書こうとすると指に緊張が入る
- 食事をするときにお箸やスプーン・フォークが持てない
- ピアノやギターなど弾くときに指に緊張が入る。
- 楽器を吹くときに唇や舌が緊張する
- 会話や歌を歌おうとすると声が出にくい
- 身体全体に不随運動が出る
- 以上の症状を改善又は進行させたくない方
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