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スタッフブログ TMSとは?仕組み・特徴と、新脳針との違いをわかりやすく解説

TMSとは?仕組み・特徴と新脳針との違いをわかりやすく解説


 

「TMSという治療を聞いたことがあるけれど、どのような方法なの?」

 

「薬以外の治療についても知っておきたい」

 

「TMSと鍼灸では、脳への刺激の仕方にどのような違いがあるの?」

 

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

TMSは、頭の外側にコイルを近づけ、磁場を利用して脳に刺激を加える方法です。特に反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、うつ病の治療における選択肢の一つとして、医療現場で用いられています。

 

一方、鍼灸では、鍼などを用いて身体に刺激を加えます。当院で行っている「新脳針療法」は、鍼刺激に加え、頭皮や身体に対して必要に応じた電気刺激を用いる鍼灸の一つです。

 

この記事では、TMSの基本的な仕組みや特徴、注意点を整理したうえで、TMSと新脳針の違いについて、できるだけわかりやすく解説します。

 

なお、TMSを受けるかどうか、また具体的な適応や安全性については、現在の病状や治療内容などを踏まえて医師が判断する必要があります。

 

TMSとは?

頭の外側から磁気を利用して脳を刺激する方法

 

TMSは、Transcranial Magnetic Stimulation(経頭蓋磁気刺激)の略称です。

 

頭部に専用のコイルを近づけ、そこから発生する磁場を利用して、頭蓋内に電流を誘導します。これによって、主に大脳皮質の神経活動に影響を与えることを目的とした方法です。

 

TMSは、脳を直接切開したり、脳内に電極を埋め込んだりすることなく、頭の外側から刺激を加えられることが特徴です。

参考:慶應義塾大学病院「rTMS療法」

 

ただし、刺激が及ぶ範囲や作用は、刺激する部位、コイルの種類、刺激の強さ、刺激の頻度などによって異なります。

 

※rTMSとは?

TMSには、単発的な刺激だけでなく、一定の条件で刺激を繰り返す方法があります。これを反復経頭蓋磁気刺激(rTMS:repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)と呼びます。

 

rTMSでは、磁気刺激を繰り返し加えることで、対象となる脳領域の神経活動を調整することを目的とします。

 

特に、うつ病に対するrTMSについては多くの研究が行われており、現在では医療機関で用いられている治療選択肢の一つです。

参考:日本精神神経学会「反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)を訊く」

 

 

ただし、すべての方に同じような結果が得られるわけではなく、疾患の状態や刺激条件、患者さんごとの状況によって治療経過は異なります。

TMSは何のために行われる?

うつ病などに対する治療選択肢の一つ

 

TMS、とくにrTMSは、うつ病に対する治療の一つとして臨床で用いられています。

 

うつ病の治療では、薬物療法などによる治療経過や症状、患者さんの状態、治療に対する希望などを踏まえ、rTMSが治療選択肢の一つとして検討されることがあります。

 

「薬を使わないから誰でも受けられる」というものではなく、医師による診断や治療経過の確認、安全性の評価などを踏まえて実施されることが重要です。

参考:日本精神神経学会「反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)適正使用指針」

 

さまざまな疾患を対象に研究されています

TMSは、うつ病以外にもさまざまな疾患や症状を対象として研究されています。

 

ただし、研究が行われていることと、日常の医療現場で標準的な治療として用いられていることは同じではありません。

 

疾患や症状によって、研究段階にあるもの、一定の臨床応用が行われているものなど、医学的な位置づけは異なります。

 

TMSが脳の病気全般に対して利用できるという意味ではありません。

参考:国立精神・神経医療研究センター「rTMSによる臨床研究」

 

TMSの特徴と注意点

頭蓋骨を開けずに脳へ刺激を加えられる

 

TMSの大きな特徴の一つは、身体を切開したり、脳内に電極を留置したりせずに、頭の外側から磁気刺激を行えることです。

 

このような特徴から、TMSは一般に「非侵襲的な脳刺激法」と表現されます。

 

ただし、「非侵襲的だから、誰でも安全に受けられる」という意味ではありません。刺激に伴う有害事象や、実施前に確認すべき事項があります。

 

TMSで起こり得る副作用・注意点

TMSでは、刺激部位の不快感や頭痛などがみられることがあります。

 

また、まれではありますが、けいれん発作などの有害事象が報告されています。

 

そのため、TMSを検討する際には、治療によって期待されることだけではなく、起こり得る有害事象や注意点についても医師から説明を受けることが大切です。

誰でも受けられるわけではありません

TMSを実施する際には、患者さんの病歴や現在の治療内容などを確認し、安全性を評価する必要があります。

 

  • ・けいれん発作の既往やリスク
  • ・体内に磁気刺激の影響を受ける可能性のある医療機器や金属製インプラントなどがないか
  • ・現在使用している薬剤
  • ・その他、医師が安全性の確認に必要と判断する事項

 

などについて確認される場合があります。

 

具体的な適応や禁忌、注意事項については、TMSを実施する医療機関で確認する必要があります。

TMSと新脳針は何が違う?

TMSと新脳針は、どちらも「刺激」という言葉で説明されることがありますが、刺激の方法や医学的位置づけは異なります。

 

項目  TMS 新脳針
方法  磁気刺激を用いる 鍼刺激・必要に応じた電気刺激を用いる
刺激の特徴  コイルから発生する磁場を利用する 鍼を介した身体への刺激を用いる
実施  医療機関等で医師が適応を判断する 鍼灸師が症状や身体の状態を確認したうえで施術する
位置づけ  疾患・状態に応じて医療で用いられる方法 鍼灸による施術
エビデンス  疾患や刺激方法ごとに異なる 鍼灸全般について研究が行われているが、新脳針そのものの医学的エビデンスとは区別して考える必要がある

単純に「どちらが優れている」と比較するものではありません

 

TMSと新脳針は、刺激の方法も、実施する専門職も、医学的な位置づけも異なります。

 

そのため、「TMSと新脳針のどちらが優れているか」という単純な比較はできません。

 

また、新脳針がTMSと同じ作用を持つことや、TMSの代わりになることが医学的に確立されているわけではありません。

 

現在TMSなどの医療を受けている方が鍼灸を検討する場合も、現在の治療を自己判断で中止せず、必要に応じて主治医に相談することが大切です。

 

新脳針では「刺激」をどのように考える?

身体から神経系へ入る「感覚入力」に着目

 

私たちの身体には、触れられたこと、圧力、温度、痛みなどを感じ取るさまざまな感覚受容器があります。

 

こうした身体からの情報は、末梢神経を介して中枢神経系へ伝わります。

 

鍼刺激も、身体に加えられる刺激の一つとして、神経系への感覚入力を生じさせるものと考えることができます。

 

当院では、このような身体から神経系へ伝わる感覚入力と、神経系との関係にも着目しながら、鍼灸による施術を考えています。

頭部への鍼刺激と微弱な電気刺激

新脳針では、頭部への鍼刺激や、必要に応じて鍼通電による電気刺激を用います。

 

これらの刺激について、神経系にどのような影響を与える可能性があるのかという視点から施術を考えています。

 

ただし、ここで重要なのは、鍼刺激によって感覚入力が生じるという一般的な生理学的説明と、新脳針によって特定の疾患が治療できるということは別の問題だということです。

 

新脳針がTMSと同じ作用をすることや、特定の疾患を治療できることが医学的に確立されている、という意味ではありません。

 

また、「脳を直接治す」という表現ではなく、身体から入る感覚情報と神経系との関係に着目した鍼灸として考えることが適切です。

 

TMSを検討している方が知っておきたいこと

まず現在の診断や治療内容を整理する

 

TMSを検討するときは、まず現在の診断名や症状、これまで受けてきた治療、現在使用している薬剤などを整理しておくとよいでしょう。

 

TMSが適しているかどうかは、こうした情報を踏まえて医師が判断します。

 

現在の薬を自己判断で中止しない

TMSを検討しているからといって、現在服用している薬を自己判断で減らしたり、中止したりすることは避けてください。

 

薬の変更や中止については、必ず処方した医師に相談しましょう。

鍼灸との併用を考える場合も主治医に相談する

TMSを含む医療を受けながら鍼灸も検討している場合は、そのことを主治医に伝えておくと安心です。

 

特に、現在の病状や治療内容によって注意すべき点が異なる場合があります。

 

医療機関での治療と鍼灸は、それぞれの役割や位置づけを理解したうえで検討することが大切です。

東京 銀座鍼灸院の新脳針療法

東京 銀座鍼灸院では、鍼灸の知見を基礎に、解剖学・生理学・神経科学などの知見も参考にしながら、当院で行っている「新脳針療法」に取り組んでいます。

新脳針について

 

病名だけではなく、症状や身体の状態を確認

同じ病名であっても、症状の現れ方や身体の状態、生活への影響などは一人ひとり異なります。

 

そのため当院では、病名だけで判断するのではなく、現在どのような症状があるのか、いつから続いているのか、日常生活にどのような影響があるのかなどを確認しながら、鍼灸による施術を検討します。

「脳を直接治す」という考え方ではありません

新脳針という名称から、「脳を直接治療する特殊な鍼灸」とイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。

 

鍼刺激や必要に応じた電気刺激によって身体に入力される刺激と、それに対する神経系の反応に着目しながら、鍼灸の施術を考えるものです。

 

そのため、新脳針をTMSと同じ治療として扱ったり、TMSの代替として位置づけたりするものではありません。

TMSと新脳針の違いを整理すると

  • ・TMS:頭部の外側から磁場を利用して脳に刺激を加える方法
  • ・rTMS:TMSによる刺激を繰り返し行い、神経活動の調整を目的とする方法
  • ・新脳針:鍼と0.7mAの微弱電流を用いて頭皮や全身に刺激を与える、鍼灸による施術
  • ・両者は刺激方法や医学的位置づけが異なり、同じ治療ではない
  • ・新脳針がTMSと同じ作用を持つことや、TMSの代わりになることが医学的に確立されているわけではない

 

TMSを検討している方も、鍼灸を検討している方も、それぞれの方法について「何が分かっているのか」「どのような注意点があるのか」を理解したうえで選択することが大切です。

 

まとめ

TMSとは、頭の外側にコイルを近づけ、磁場によって頭蓋内に電流を誘導することで、脳の神経活動に影響を与える方法です。

 

特にrTMSは、うつ病に対する治療の一つとして医療現場で用いられています。一方で、TMSはすべての疾患に対して同じように利用できるわけではなく、適応や安全性について医師による判断が必要です。

 

新脳針はTMSとは異なり、鍼刺激や必要に応じた電気刺激を用いる鍼灸による施術です。身体から神経系へ入る感覚入力にも着目しながら施術を考えていますが、新脳針がTMSと同じ作用をすることや、特定の疾患を治療できることが医学的に確立されているわけではありません。

 

それぞれの特徴や位置づけを理解し、ご自身の状態に合った方法を医療専門職と相談しながら検討することが大切です。

一人で悩まず、まずはご相談ください

「TMSについて調べているけれど、鍼灸との違いがよく分からない」

 

「現在の治療と鍼灸をどのように考えればよいのか知りたい」

 

そのような場合は、一人で抱え込まず、まずは現在のお悩みをお聞かせください。

 

東京 銀座鍼灸院では、現在の症状や身体の状態を確認したうえで、鍼灸によってどのようなサポートが考えられるのかをご説明します。

 

鍼灸師 人見

 


TMSについてさらに詳しく知りたい方へ

慶應義塾大学病院「rTMS療法」

日本精神神経学会「反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)を訊く」

国立精神・神経医療研究センター「rTMSによる臨床研究」

・厚生労働省「先進医療の各技術の概要」


 

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